ゴキブログ一覧
2020 .12.28
Eurycotis sp. ケガ
Injured Eurycotis sp.
Eurycotis opacaに続き本種もダメかと思いましたが,孵化した幼虫は無事成長しております.
そんな中,脱皮直後だと思われる怪我した個体を発見.
内臓(脂肪と気管らしきもの)が背面に出てきている.
脱皮中に齧られたのかもしれない.
とりあえずプラカップに収容して様子見ることにしました.
生命力の強いゴキブリですが,果たして生き延びるか?
しばらく手元に置き観察します.
さて,今年もあっという間に過ぎ去り,子年が終わりです.
本来であれば,ネズミにちなんだ様々な話題が提供されていたのではないかと思いますが,コロナにかき消されてしまいました.
来年は良い年にするよう頑張りましょう.
良いお年をお迎えください.
2020 .12.25
Deropeltis属の親子
Deropeltis sp. parent and child
Deropeltis属の1種(♂).
ここに来てから10年になります.
丈夫な種です.
シェルターはダンボールを使わず,種苗ポットを使っています.
成虫幼虫入り乱れの環境.
他のゴキブリではあまり見ない親亀の上の子亀.
何かいい事でもあるのでしょうか.
ほのぼのします.
2020 .12.24
ペルビアン巣ごもり
Nesting of centipeid
今までの飼育環境では穴倉に潜っていなかったが,新しくしたと同時に潜って入口をふさいだ.
脱皮だと思うのだが,産卵ではないかと期待をしてしまう.
いつ出てくるか,ドキドキしながら待つとします.
2020 .12.23
トライポフォビア2
Trypophobia 2
Therea petiveriana
Therea olegrandjeani
Therea属はこんな発生をしがちです.
全ての齢が均一に混ざるということが難しい.
この後,卵鞘がごっさり採れて幼虫だけのコロニーとなってこの繰り返しです.
まあ,それが原因と言ったら終わりですが.
これはこれで見ていて楽しいですね.
しかし,卵鞘が孵化しなかったら終了です.
2020 .12.22
茶系クロゴキブリ死亡
Death of a brownish Periplaneta fuliginosa
死亡していました.
まさにSmoky brown cockroach です.
この♀はすでにご紹介した殺虫剤のフラッシングで出てきた個体.
殺虫剤の影響か,後脚が2本とも脱落しましたが寿命も全うしたのではないかと思います.
最終的に7個の卵鞘を産み,ほとんどは孵化しました.
貴重な個体なので標本にします.
これは宝物です.
この幼虫らが成虫になるのは早くても来年の夏ころだと思います.
どのような成虫になるか楽しみです.
2020 .12.21
ワモンゴキブリの腹板変異
Mutations in the abdomen of Periplaneta americana
脱皮して間もないこの個体.
腹部側面が割れている.
1,000匹以上の個体を見てきたが,このような変異は記憶にない.
一般的な変異は,背板の癒合など平面上の出来事で終わるのだが,これは腹板との接合部の間にもう一つの側板のような物が形成されている.
今のところこの個体は幼虫をとるため生かすので,一定量の幼虫がとれたら顕微鏡下で観察してみたい.
変異とは関係ないですが,腹端に付着している黄緑色の物質.
嫌な目に合うと出すのですがこれが臭い.
ゴキブリが餌になり難い理由の一つだと思います.
2020 .12.18
餌ゴキブリ
Cockroaches for bait
頂いたサソリモドキのケージ.
到着当初は,脚の取れたコオロギすら捕捉できないようでしたが,現在は投入した餌を片っ端から食べています.
が,トルキスタンゴキブリの♀は嫌なようで残ります.
以前から思っていたのですが,初齢幼虫はトカゲなどもよく食べますが,中齢幼虫以上になると♂幼虫も♀幼虫も関係なくコオロギと比較すると残ります.
原因としてはやはり腹端部から分泌されるネバネバではないかと思います.
♂成虫になるとネバが減るのかこのように食べられます.
この傾向はタランチュラやムカデ(2018 .8.8ブログ)にも見られるのですが,餌昆虫として沢山売られているのが不思議です.
皆さん若齢幼虫か♂成虫しか使ってないのでしょうか?
それともコオロギ切れ時の緊急避難用?
2020 .12.17
雑事14
Little things 14
冬眠させたアオダイショウですが,水を入れるのを忘れており飲まないと思いつつも入れました.
土を何ヵ所か掘った跡がありましたが,中のシェルターに潜り込んでいるようです.
来年春お会いできることを楽しみにします.
餌投入.
翌朝.
計画通り食べてくれています.
前回の脱皮期間が長かったので,今回の給餌間隔は興味あることですね.
大井ふ頭の方に行った際,潰れたワモンゴキブリ発見.
多分マンホールから出てきた時に踏まれたのでしょう.
駐車してある車の下にあったので,うずくまって撮ったのですが,撮り終わって車内見たらドライバーが乗っていました.
気が付かれたかわかりませんが,何も言われずホッとしました.
2020 .12.16
Therea olegrandjeani 産卵
Therea olegrandjeani ootheca laying
雌成虫の腹端部.
このように肛上板と肛下板が合わさり,水平口となっている.
ここから幅のある平べったい卵鞘を生み出す.
産み始め.
2時間後.
縦に産むのは大変そうですね.
卵を1つ産むだけであれば,こんなに時間がかからないのでしょうが,卵鞘の固い外皮を作りながら産むので相当な時間を要します.
約12時間後.
更に4時間後.
やっと横を向きました.
更に3時間後.
やっと産下しました.
私も,様々な昆虫を見たり飼育しましたが,「1回の産卵」にかかる時間としてゴキブリはかなり長い部類だと思うのですが.
皆さんいかがでしょう.
2020 .12.15
Shelfordina trrminalis
Shelfordina trrminalis
ここに来てから生まれた仔たちの交尾.
熱帯の種なので冬も関係なく成長し繁殖しています.
初齢幼虫.
小さいので屋外で見つけるのは大変でしょう.
中齢幼虫.
本種は,紙のシェルターにも入ってくれますが,ミズゴケの方が好みのようです.
2020 .12.14
ヒメクロゴキブリ状況
Sorineuchora nigra growing conditions
試しに与えた古いエサを回収しようとしたが,その下に初齢幼虫が潜んでいた.
これはリンゴだが適度な保湿と隙間が初齢幼虫には居心地が良いようだ.
こちらはアノール死骸.
また,それに食べている個体もいるようだ.
その為,回収せず元に戻して追加した.
こちらは固形飼料に集まる虫体.
産卵中の♀.
ケースを置いている場所は,冷気が入りやすい窓際ですが,室内は暖房が入っているので,越冬どころではないのかもしれない.
2020 .12.11
ペルビアンジャイアント引越
Scolopendra gigantea moving
かなり気を付けていたのだが,例のダニが侵入していた.
このケースは気密性が良くないので,増えたらあっという間に脱走(ダニですよ)し,他のケースへの侵入の危険性が増す.
そんなわけで覚悟を決めて引越しさせた.
古いケースからとりあえずダニ洗浄用のヤシガラ入り中プラケに移動.
ここまでの作業は,木の枝にムカデを捕まらせ,長ピンで誘導しながら移したので写真撮るスキがなし.
中プラケに移すときにムカデの体表を見ると,ダニが数匹はい回っている.
これだけ表面積があるとそりゃそうだと思う.
なので,ヤシガラを追加で入れて攪拌しながらモミ洗い.
意外と大人しく洗われてくれた.
体表についたダニがヤシガラに移ったと思われしころ,新たに用意したケースに引越.
モミ洗いケースからどさっと落とすと,ダニを含んだヤシガラが入りそうなので,新しい枝伝いに移動してもらった.
これも意外とすんなり.
終了です.
それにしても,見れば見るほど素晴らしい生き物です.
2020 .12.10
Hypercompsa sp.
Hypercompsa sp.
中プラケに移してから初めて床替えをしました.
床換えといっても,マット:虫体が1:1のようになってきたので淘汰ですね.
2016年に3匹購入して現在に至っています.
土中にいる状態を見るとワラジムシのようです.
単為生殖は強いですね.
オガサワラゴキブリPycnoscelus surinamensis のようです.
1匹ずつ拾うのは面倒なので,虫入り土を半分戻しました.
日本の小型トカゲの良いエサになると思います.
2020 .12.9
脱皮
Shedding
オガサワラトカゲの脱皮
ヘビと違い,脱皮殻はバラバラ剝れるので,いつ脱皮したかわかり難い.
鱗をそぎ落としている最中の魚の表面のようだ.
ついでにシマヘビも予定通り脱皮した.
ヘビは脱皮前後で餌を食わなくなるが,トカゲはどうなんでしょう.
2020 .12.8
ゴキブリ飼育の汚れ状況
Cockroach breeding stains
ウスヒラタゴキブリの飼育ケースです.
汚れの紹介です.
給水容器.
飼育種に入りますが,緑のカビは結構発生します.
しかし,ゴキブリ生体に影響はないようです.
見た目が悪いだけです.
黒いカビが出る種もいます.
(人体に影響がないかはわかりません.10年以上ほぼ毎日素手で管理を行っていますが,体調を崩したことはありません.基本的な衛生管理.どんな動物でも触ったら手を洗うことが重要です).
落ち葉シェルターにたまった糞や脱皮殻.
こういった乾燥物にはチャタテムシが多く発生します.
まとめると結構な量になります.
古い卵鞘も処分したほうが良いのですが,新旧が分からないので増え方を見て処分します.
シェルターも,糞の付着が多くなったら交換します.
今回はこの程度なのでなし.
見た目あまり変わりませんが掃除終了.
はやりのキャベツを入れています.
特別好んでは食べませんが,穴開いたりするので食べるようです.
2020 .12.7
シロマダラの給餌
Feeding of a Dinodon orientale
約1か月前,脱皮の時期なのですが,夜もこのようにうろついており,脱皮しないのかな~思っていました.
あまりにもうろつくので,餌入れると食べました.
それから約10日後.
やっと脱皮.
今までは大体1ヶ月間隔だったのですが今回は2か月を要し食べたヤモリは3匹.
大きな餌を食べ始めての事なので,そんなものかもしれないのですが,餌のタイミングが分からなくなりますね.
ちなみに脱皮殻の計測による体長は550cm.
前回は560cmなので誤差があるとしてほとんど大きくなっていません.
もう少し大きくなってくれると餌の確保も楽になるんですがね.
2020 .12.4
チャオビゴキブリの孵化
Hatch of Supella longipalpa Ootheca
相変わらず幼虫の姿は見えないが,見つけるコツがわかった.
約1週間おきぐらいに固形飼料見ると,1齢幼虫が見つかることがわかった.
今回は2卵鞘程度集まってきている.
現在約40匹ほど回収できた.
何とか復活しそうだが理由がわからない.
確認する実験ならそれほど難しくなさそうだが,ちょいと忙しい.
2020 .12.3
ヤネホソバの飼育
Breeding of the Eilema fuscodorsalis
現場調査で採集してきました.
ヤネホソバは,PCOの間では知らな人がいない有名な昆虫.
しかし,私が撮りだめている写真ファイルに入っていなかった.
近年(といっても1990年以降)発売されている害虫本にも最近は減った.
と必ず書かれている.
現代では希少な昆虫です.
そんな珍しい虫ですから,飼育しないわけにはいかない.
ただ,餌が地衣類なので,何喰わそうかと思ったのですが,ワモンゴキブリ初齢幼水入れ用のミズゴケストックケースがちょうどよく緑に藻が出ていたので入れてみました.
あっさり食べた.
ミズゴケが乾燥して,壁面に付着している部分を齧っている.
アゲハの幼虫だってこんなにあっさり食わないと思うほどあっさり.
よほど腹減っていたのか?
ミズゴケを食ってくれるのであれば食草の入手の心配もいらない.
ゴキブリのように放置飼育が出来そうです.
蛹越冬するそうなので,来年春羽化するまでしばらく楽しめそうです.
2020 .12.2
Sundablatta sexpunctata
Sundablatta sexpunctata
成虫です.
最初幼虫を見た時は小さいと思いました.
実際小さいですが,それを補う綺麗さがあります.
これで日本ではゴキブリと扱われてしまうのですから,イメージは重要ですね.
本種は以下の論文で詳しく書いてあります.
Roth, L. M. (1996). The cockroach genera Sundablatta Hebard, Pseudophyllodromia Brunner, and Allacta Saussure & Zehnter (Blattaria: Blattellidae, Pseudophyllodromiinae). Tijdschrift voor Entomologie, 139(2), 215-242.
2020 .12.1
サソリモドキ
Mastigoproctus floridanus
買えなくなって引き取ったというジャイアントビネガロンをK﨑氏から頂いた.
国内種より大きく迫力がある.
腹もパンパンで如何にもメスっぽい.
ポイでは何なので調べると良い文献が見つかった.
Barrales-Alcalá, D., Francke, O. F., & Prendini, L. (2018). Systematic Revision of the Giant Vinegaroons of the Mastigoproctus giganteus Complex (Thelyphonida: Thelyphonidae) of North America. Bulletin of the American Museum of Natural History, 2018(418), 1-62.
雌雄の判定は,sinistral pedipalp trochanter(着桿状突起(秋山,2001))の形状を見ればわかるようで,雌であることがわかった.
拡大.
直感というのも鍛えると当たるようになる.
チャバネゴキブリ科も成虫は腹部の大きさを見れば大体雌雄は当たる.
♀は腹がでかいというのは,節足動物では結構使える.
また,種も同定するとMastigoproctus floridanusっぽいことがわかった.
このポイは,他属まで見る時間がないので,ジャイアントビネガロンのインボイスを信じて同定した.
種名が判明するのは飼育者としてはうれしいことで,飼育にもさらに熱が入るというものである.